語学を身につける効果的な方法
ビジネスマナーの授業では言葉遣いの一環としてクッション言葉や敬語も教えます。
留学生にとって、この言葉遣いが一番難しいと言います。
外国人にとって難しい言葉
クッション言葉
クッション言葉は他の言語にはない日本語特有のものです。
相手のことを大切に思ったり気遣ったりする本来の日本人の思いやりの気持ちを表した言葉で、日本の文化と言っても過言ではありません。
敬語
敬語は本来の日本人の相手を敬う気持ちを表したものです。大きくは尊敬語、謙譲語、丁寧語と3種類あります。ここまで複雑なものは他言語にはありません。
更に、同じ尊敬語でも丁寧さの度合いが違い、相手によって使い分ける必要があります。
例えば、「言われる」と「おっしゃる」。それが、特に外国人にとっては難しいのです。しかし、ここには日本人の細やかな気遣いが表れています。
助詞
「は」「が」「を」「に」と言った助詞の使い方も難しいと言います。助詞も多言語にはほとんどないようですね。
よく「『は』と『が』はどう違うの?」とか、「なぜ『を』だったらダメなの?」と聞かれます。しかし、日本人も学校で習っているはずですが、今や無意識に使っているので、ほとんどの方が改めて調べないときちんと説明できない状況です。
効果的な学習方法
先ず覚えて、使っていって、慣れていくしかありません。
そのためには、「たくさん聞いて、たくさん話すこと」です。
そう言うと、学生は特に「敬語を使って話す機会がない」と言い返してきます。
そこで、私はいつもアドバイスをします。
① 学校の先生とは必ず敬語を使って話すこと。
授業以外でも留学生の場合には生活のことや在留許可などの手続き、就職活動などで先生と話をする機会が頻繁にあります。
② 用事がなくても買い物に行きましょう。
買わなくていいのです。自分が興味のあるお店に行って、質問をしまくるのです。
例えば、
「他の色はないですか?」
「もっと大きいサイズはないですか?」
「○○○のような形の物はないですか?」
そこから更に会話を膨らませます。
その際に「私は外国人なので話し方を間違えていたら、教えてください」と言っておけば、たいていの方は教えてくれます。
私も実際、上海で留学していた時、この方法でかなり上達しました。
また、私の言い方が正しくない時には「あなたが言っていることは、○○○○ということですね?」と正しい言い方で良い直しをしてくれる人もいました。その時に聞いた言葉は一度で覚えられます。
このようにアドバイスすると「恥ずかしい」と言う学生がいます。恥ずかしがっていたら、いつまで経っても語学は上達しません。
「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」
ぜひ実践して、正しい日本語を身につけてほしいです。
事前準備
このやり方を始める前に、または並行してでも良いですが、毎日日本語で日記を書くことを勧めます。
それを添削してもらうことで、まずは知識を身につけることができます。
私は「毎日一行でも書きなさい。一週間に一度まとめて1時間で書くより、たとえ一日5分でもいいから毎日続けることが大切。書いてきたら見てあげます」と学生に言います。
しかし、なかなか書いてくる子はいません。
やはり、少しずつでも毎日続けるのは大変です。しかし、それが大切なのです。