見続けてきた変化

昨年、コロナ禍で東京オリンピック・パラリンピックが開催され、現在北京冬季オリンピックもコロナ禍で開催されています。

北京の会場内でのレストランは全自動でロボット化されていて、約半年前の東京よりずっと進んでいます。改めて中国の進化の速さに驚かされます。

私が初めて上海に行って住み始めた2002年と今とではたった20年しか経っていないのに別世界です。

私が見てきた中国を振り返ってみましょう。

目次

2002年頃

全てにおいて日本より遅れていると感じました。

物質面

「日本よりずっと遅れている」

日本で簡単に手に入るけれど、現地では買えないものがありました。最も印象に残っているのは使い捨てカイロです。

また、価格は安いですが、品質が悪いものが多く、用が足せばよいという状態で、すぐに壊れました。当時、雨傘はほとんどが折りたたみのもので、道端で5~10元で売っていましたが、数回使っただけで壊れました。

もちろん、色やデザインを選ぶことはできません。例えば、前回赤色があったので、また赤色が欲しいと思っても、今日は青色しかないという状況です。

環境面

「無関心(心及ばず)」

上海で青空が見えることは一年のうち2~3日です。

バスに乗ると椅子が壊れているのはしょっちゅう、手すりをもって降りたら服の袖口が真っ黒でした。

街の至る所にごみが落ちていました。
このような状況に対して、何か意見を言う人はいなかったのです。

人の考え方や行動

「自己中心」

どこでもわれ先に突進していって、「並ぶ」ということを知らない状況でした。

また、ファーストフード店では注文せずに食べ物を持ち込んで居座っている人をよく見かけました。

とにかく自分さえよければ良いという考え方で行動していたのです。

2010年頃

日本より遅れているところと進んでいるところが交錯しているようでした。

物質面

「日本の先を行く」

スマートフォンの普及率は日本ではNTTドコモの調べによると2010年は4%、2011年は21.1%でした。中国はインターネットの資料によると都市部で2011年は35%だったそうです。

しかし、実際に上海に住んでいると仕事をしている人の9割ぐらいが持っているような状況でした。

また、家電は日本ブランドが一番良いと思われていましたが、中国のメーカーの物が安くて品質も良くなっているということで、中国のメーカーの物が好まれるように変わってきました。

2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博が開催されたことで、街中はドンドン開発され斬新なビルや商業施設が増え、どこへ行っても冷暖房完備で快適です。また、交通機関は高速鉄道が開通し、地下鉄も路線が増えて大変便利になりました。

環境面

「これからの改善課題」

北京オリンピック、上海万博の開催により、多少は改善されました。また、人々も関心を持つようになってきましたが、まだ豊かさや便利さを優先しているような状況で、実際にはこれから取り組んでいかなければならない課題です。
例えば、道端にごみ箱が設置されたのですが、相変わらずごみは落ちているという状況です。

人の考え方や行動

「改善途上」

北京オリンピック、上海万博の開催により、国を挙げてマナーの改善に乗り出したり、外国人が多く入ってきたことで人々の意識と行動が変わりつつある状況でした。
例えば、地下鉄の乗降の際には降りる人を待たずに乗り込み、いす取りゲーム状態でした。それが、降りる人を優先するようになったのです。
また、どこでもきちんと並ぶようになりました。
そのように都市部ではマナーをわきまえている人が多くなってきましたが、まだ守れていない人もいたのです。

2022年

各方面で、日本の先を行きつつある状況です。

物質面

「日本のずっと先を行く」

レストランの全自動化もしかりですが、すでに物流ではドローンによる配送が実用化されています。

身近なところではコンビニエンスストアでの携帯電話の充電や駅などの傘の貸し出し、シェア自転車など日本では最近見かけるようになりましたが、中国は数年前に普及しました。

現状、すでにこのように様々なことが日本のかなり先を越しています。

環境面

「かなり改善」

習近平さんが国家主席に就いてから、国を挙げて環境問題に取り組んできたことにより、かなり改善されてきました。内容によっては日本より厳しくなっています。

また、海外に行くことができるようになった人が増え、外国を見て人々の意識が変わってきたことも好影響を及ぼしているのではないかと思われます。
室内の公共の場所は禁煙です。
交通ルールも厳しくなり、上海の街中ではクラクションがうるさかったのが、今では静まり返っています。また、路上駐車ができなくなったので、交通渋滞がかなり緩和されました。

人の考え方や行動

「日本人と変わらない」

外国人がたくさん入ってきたことや中国の人自身も海外に行ける人が増え機会も多くなりました。また、インターネットが普及して外国の情報が入ってくるようになったことで、インターナショナルな考え方や行動が身についてきたのです。それにつれて、マナーが良くなりルールを守るようになりました。

本来の文化の違いによる考え方や行動パターンが違う部分はありますが、基本的には日本人と変わらないモラルを身につけている人が多くなっています。特に都会に住むホワイトカラーの人たちは皆さんきちんとされています。中国の方と接していて違和感を覚えたりイラっとしたりすることが無くなってきました。それより、自分の行動が恥ずかしくなることがあるくらいです。
地下鉄に乗るといす取りゲーム状態だった人たちが、今では年配者が乗車してくると多くの人が立ち上がります。

中国はお隣の大国です。日本にとっては切り離すことができない、関わり続けていかなければならない存在です。政治的なことは私の力の及ぶところではありません。しかし、これからも注視しつつ、中国の方と友好的に関わり両国の平和と発展のために微力ながらもお役に立ちたいです。

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