改めて「インバウンド」とは・・・

2014年あたりから急激に訪日外国人観光客が増えてきて、ニュースなどで「インバウンド」という言葉を見聞きするようになりました。それで、すっかり一般的な言葉になったと思っていました。しかし、実際にはそうでもないということを聞きましたので、改めて解説をさせていただきます。

目次

インバウンドの意味、語源

「インバウンド」は、英語の「inbound」に由来しています。
「inbound」は「in」と「bound」という単語の組み合わせで成り立っています。
「bound」とは、飛行機や電車などの交通機関の「〜行きの」という意味です。それに、「内へ」という意味の接頭語「in」に付随して「本国行きの」という意味になります。

日本における「インバウンド」とは

「インバウンド」の対義語として、「アウトバウンド(英: outbound)」という言葉があります。
元々は観光業界での専門用語でした。「日本人が外国を旅行すること」という意味です。私が日本旅行で働いていたころ、第三次海外旅行ブームの時代で、「アウトバウンド」という言葉を日常的に使っていました
その後、訪日外国人が増えるとともに「外国人が訪れてくる旅行」「インバウンド」と言うようになりました。
「インバウンド客」というと「訪日外国人観光客」をさして使われている場合もありますが、本来は観光客に限らず、出張者や研修旅行者なども含まれます。

観光業界以外では

「インバウンド」という言葉は「内向きの」というニュアンスで観光業界以外でも、様々な分野で使われています。

IT業界

コンピューターネットワークや通信分野では、外部から転送されるデータのことを「インバウンドデータ」、外部へ転送されるデータのことを「アウトバウンドデータ」といいます。

テレマーケティング

コールセンターの業務などで、消費者から電話を着信(受信)することを「インバウンド」、消費者への発信業務を「アウトバウンド」と呼びます。

広告業界

広告業界での「インバウンド」は、インターネットで、興味があることや見たいもの、知りたいことを自らの意志で検索すること、つまり「消費者が自ら広告を選ぶ」ことを指します。
これに対し「アウトバウンド」とは、テレビCMや訪問販売、チラシ、バナー広告など「消費者の意志に関係なく広告を目にすること」です。

一般企業

「インバウンド」と「アウトバウンド」は対比して使うことが多々あります。

  • インバウンド ・・・ 顧客が自発的に企業に接触してくること
  • アウトバウンド ・・・ 企業が能動的に顧客に接触していくこと


このように様々な業界でも使われていますが、やはり一番目にするのは訪日外国人観光客のニュースの時ですね。
コロナウイルスが収束すると、またたくさんのインバウンド客がやってくることは間違いありません。そして、彼らが買い物をしたり、観光をしたり、食事をしたりして消費をしてくれることで、日本経済が活性化している様子をニュースで目にすることでしょう。そんな日が一日も早くくることを楽しみにしています。

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