最初から最後までコロナ禍
本日は留学生の専門学校の卒業式でした。
昨年に続き、今年も代表の学生だけが登校をしてオンライン配信で行われました。
それを見ていて、大変な状況の中、学生たちは本当によく頑張ったなと思うと涙が出てきました。

クラス全員が揃えない状況
本日の卒業生はとうとう一度もクラス全員が揃うことがなかったのです。
彼らが入学してきたときにはすでにコロナウイルス感染が拡大していたので、入学式もありませんでした。体育祭も文化祭も課外授業(遠足)もありませんでした。授業もほとんどがオンラインだったのです。緊急事態宣言が解除されても1年生の時は三分の一ずつ、2年生になってからも半分ずつの学生が登校してくるというパターンでした。
環境面
朝9時から午後3時までずっとオンラインで授業を受けなければならないため、インターネット環境を整える必要があります。
多くの学生が友達と一緒に住んでいて、その友達もそばで別の授業を受けている場合があります。また、同居人が部屋の中を行き来して集中できない場合もあります。
経済面
緊急事態宣言が出るとたちまちアルバイトが無くなります。
そのうえ、今まで必要なかったインターネット代がかかります。
多くの学生は授業料もアルバイト代から支払っているのです。それで、払えなくなって除籍になる学生もいました。
そんな中で、本日卒業できた学生はやりくりをして頑張ったのだと思います。
精神面
学校に来る機会が少なく友達がなかなかできません。
また、日本に来てからほとんどの学生が3~4年経ちますが、一度も帰国することも家族に来てもらうこともできず、とても寂しい思いをして過ごしてきました。
日本語学校が大阪以外だった学生は、最初のうちは大阪弁が聞き取れないことがストレスになっている人もいました。
もちろん金銭的に厳しい学生はそれも不安要素になっていたようです。
そんな様々な問題を抱えながらも、限られた厳しい環境の中で、本当によく頑張ってくれました。
2年生の最後にグループ発表をしてもらう際には準備段階で急遽すべてオンライン授業に変更になりました。
しかし、文句ひとつ言わず、やり方を変えてくれたのです。
本来ならば登校日に学校で発表してもらうはずだったのが、オンラインになったので動画を撮って流すことに替えたグループがありました。
その撮影の際には教室を借りることができず、真冬の風がきつく寒い中、駐輪場でコートも着ずにリクルートスーツに着替えて演じているのです。
また、今回の卒業生のクラスの私の授業は金曜日の午後だったので、一番疲れていて眠たくなる時間帯です。まして、オンラインだと集中力が持ちません。
しかし、一人も寝る子はいませんでした。とても、まじめに一生懸命受講してくれたのです。
これからもそのまじめに取り組む姿勢を貫いて、夢を実現してほしいです。
今後の彼らの幸せを願っています。