学生との感激エピソード
留学生の専門学校でとても嬉しい出来事がありました。
授業中、しょっちゅうノートに絵を書いている学生がいました。注意をしてもなかなか改善されません。
その学生が夏休み前のある日、急にパソコンを立ち上げるのです。それで注意をしたところ「メモを取る」と言います。また、「他の学校では認められていた」と言うのです。
しかし、私共では許可をしていません。それで、なぜダメなのかも合わせて説明しました。
そしたら、パソコンは片づけたのですが、机の上にカバンを置き、その上にノートを広げて絵を書き始めるのです。
それで、再度注意しました。しかし、決して厳しい言い方はしていません。にもかかわらず、「先生は僕のことが嫌いなのですね。失礼します」と言って帰って行ったのです。
それ以来、他の授業には出席しているようなのですが、私の授業には現れませんでした。
夏休みが開けてからも来ないのです。このままだと出席率は足らなくなるし、試験も受けないと欠点になってしまいます。すごく心配していました。
そしたら、なんと先日の授業に笑顔で現れたのです。
私も笑顔で「久しぶりやね。心配してたよー。良かった」と言ってしまいました。しかし、彼ははぁはぁ息切れをしていて何も言えない。どうしたのか聞くと、ジェスチャーで階段を走って上がってきたと答えてくれました。それだけでも、とても嬉しかったのですが、授業もまじめに受けてくれたのです。休んで受けられていなかった実技テストも文句ひとつ言わず、ぶっつけで受けてくれました。
そして、授業が終わったとき、気づいたら彼一人が残っていました。そして、私の所に来てくれて、「先生、前は黙って帰ってすみませんでした。本当にごめんなさい」と謝ってくれたのです。
元々おとなしい子なので、わざわざ謝りに来てくれるなんて夢にも思っていませんでした。だから、とてもビックリしました。そして、感激して涙が出そうになったのです。
私は「大丈夫よ!大丈夫、気にしなくて良いから。これから一緒に頑張ろうね」と言いました。
彼のことを思って心配していた気持ちが通じたようで、嬉しかったです。
これからも学生が卒業後に夢をかなえられるように、全力でぶつかっていきたいと思っています。